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すこやかな髪の毛は健やかな食卓から。髪によい食べ物とは?

ワカメや昆布・海苔は髪にいい?

1d84f5ab1cb199a3aaef08759e65a1ad_sまず、髪の毛にまつわる食べ物マメ知識で一番よく言われる「海藻類をたくさん食べると髪の毛がキレイになる・生える!」という話ですが、実はあまり効果がないことが分かっています。

海藻類にはビタミンやミネラルが豊富で、タンパク質から髪の毛を作る手伝いをしてくれますので、完全に無意味ではありませんが、一番は髪や頭皮の材料となる良質なたんぱく質を取り入れる方が先決です。

白髪に黒ゴマ&黒豆は全くの迷信

海藻類に並んでよく言われる「白髪には黒ゴマや黒豆」ですが、こちらは全く根拠なしです。

植物の黒い色素は鉄の化合物のヘマチンと言われる成分が中心で、髪の毛の黒い色素はアミノ酸のチロシンと言われる成分が酸化してメラニン色素になり発色しています。つまり、全くの別物です。

そのため、食べ物から白髪対策をしたいと思ったら、ヘマチンを含む黒い食べ物ではなく、チロシンを豊富に含む食品を摂る方が効果的です。チロシンが豊富な食べ物はアジ・サバ・イワシなどがあります。これらは抗酸化力の高い良質な脂とタンパク質も含んでいますので、髪の毛にとっては一石二鳥の食材です。

また、チロシンをメラニン色素に変えるシロチナーゼという酵素を活性化させる銅イオンを多く含む、エビやカニなどの甲殻類やココアなども黒髪キープのためには良いと言われています。

ただ、そうは言っても毛母細胞で働くシロチナーゼは一度活性を失ってしまうとほぼ回復はしないと言われているので、予防はできても治療は不可能に近いと言われているのが現状です。まだまだ関係ないとあなどらず、早め早めに手を打ちましょう。

美髪の一番の秘訣は「アミノ酸(≒タンパク質)」

少し話がそれましたが、髪の毛はケラチンというタンパク質が中心になってできています。そのため、健康的なハリコシのある髪の毛のためには、ケラチンのもとになるたんぱく質を積極的に取り入れることが大切です。

タンパク質の中でも、ケラチンのもととなる含硫アミノ酸を多く含んでいる食品は、先ほど黒髪キープに良いと紹介したアジ・サバ・イワシ・サンマなどの青魚の他に、白身魚、取りの胸肉やささみ肉、たまご、チーズ、豆腐などの大豆製品があります。

健康なオトナの場合、体重1キログラム当たり、1グラムのたんぱく質が必要と言われています。つまり、一日にタンパク質は約50~70g程度必要ですが、髪の毛にとってはこのうちの1/3を目安に含硫アミノ酸を含むタンパク質を取り入れるのが理想的です。

たとえば、鶏ささみ肉の場合、100g当たり23g程度のタンパク質を含むと言われているので、髪の毛のためには毎日100g程度取り入れるとちょうどよいということになりますね。ちなみに、鶏ささみだけで一日に必要なタンパク質を補おうとしたら、一日200~300g程度の摂取が必要です。

運動をする方や、ストレスの多い方は体重一キロあたり1.5gのタンパク質が必要になってきますので、一日あたり75~105g程度を食事から摂ることが必要です。先ほどの例に挙げた鶏ささみで換算すると、毎日400~500gの鶏ささみを食べる計算になります。

もちろん、タンパク質以外にもお野菜も必要ですし、逆に油分や糖分・塩分は控えたいですし、外食続きは健康に良くないと言われるのはこの辺りに理由がありそうですね。

ダイエットに潜む飢餓性脱毛症

577832dc7468f458386ab3e2eefb8a59_lさて、今度は逆にダイエットで食事をコントロールするようになると髪の毛はどうなるでしょうか。

食事の栄養バランスをキープしたまま、量を腹八分目にし、適度な運動をするような健康的なダイエットであれば全く問題はありませんが、手軽に満腹感を得られる水分やコンニャク・食物繊維類ばかりに偏った食事をとるようになると、知らず知らずのうちに栄養失調を起こすことがあります。

栄養失調と言っても、初期症状は倦怠感・脱力感や無気力など、一見栄養不足が原因とは気が付かないような症状がほとんどです。そのうち肌荒れが続いたり、イライラしたり、便秘がちになるなどの症状も出ますが、なかなか栄養不足と結びつけて考える方は少ないのではないでしょうか。

そして、栄養失調がさらに進むと体重が著しく減ったり、体温が下がったり、脈が少なくなったり、貧血ぎみにもなります。生理不順や生理痛がひどくなったりもします。免疫力も下がりますので、病気にもなりやすくなります。そして、飢餓性の脱毛症にまでつながっていくのです。

この辺りまで来ると、何かおかしいと病院を受診して、栄養失調の診断を受け、生活の見直しをすることになりますが、この栄養失調の期間はできる限り無駄な栄養を使わないよう、なくなってしまっても生命の維持に影響の少ない髪の毛への栄養の供給が絞られるようになります。栄養不足状態の頭皮からは細くてもろい髪の毛が生えたり、抜け毛が増えるのはこのためです。

さらに過剰なダイエットと、リバウンドを繰り返した人の場合、1本の髪に細い部分と太い部分ができ、くせ毛や手触りの悪さの原因になることもあります。

正しいダイエットは、タンパク質やビタミン・ミネラルなど必要な栄養素はキープしたまま、エネルギー減になる炭水化物・脂肪・糖類などを制限して、体に蓄えられた脂肪だけを消費することが大切です。その点、適度な炭水化物抜きダイエットはかなり理にかなったダイエット法で、断食や置き換えダイエットなどに比べると時間はかかりますが、健康的に着実に痩せることができると言えるでしょう。

 

食生活のポイントを押さえて、体の内側からも美しい髪を目指しましょう。